旅人算の問題を見た瞬間、速さを足すのか引くのか手が止まった経験はありませんか?
『出会う』『追いつく』という言葉に引きずられて、逆の式を立ててしまうこともあるでしょう。
旅人算の判断に必要なのは、暗記した言葉のパターンではありません。
コム大の講座では、状況を図にして速さの向きを確認する『紐図』という手順で、和と差を一瞬で見抜きます。
この記事では、追いかけ算と出会い算の見分け方から、単位の揃え方、往復・周回コースへの応用までを解説します。
最後には例題と練習問題も用意したので、判断フローを自分の手で試せるでしょう。
数的推理の旅人算に苦手意識がある、特別区や地方上級、国家一般職を目指す受験生に向けた内容です。
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旅人算の基本公式は距離=速さ×時間
旅人算はどんな設定でも、距離=速さ×時間という1つの式が土台になります。
まずはこの関係を崩さずに整理することが、複雑に見える問題を解く出発点です。
コム大の講座では、旅人算は姿を変えて繰り返し出題される単元として位置づけられています。
ベルトコンベアを行き来する設定や、池の周りを周回する設定など、見た目は毎回変わります。
それでも距離=速さ×時間という骨格は変わらないため、単元を絞って練習する価値の大きい分野です。
出題範囲を横断的に把握したい場合は、【地方上級】数的処理は何問出る?も参考になります。



追いかけ算と出会い算の見分け方
旅人算でつまずく最大の原因は、数学の速さの解き方をそのまま持ち込むことです。
コム大の講座では、数的推理の速さは数学の速さとは別物だと説明しています。
テニス部の選手が卓球の試合に出ても勝てないように、戦い方が違えば同じ武器では戦えません。
数的推理の旅人算も同様で、xやyを立てて方程式で押し切ろうとすると遠回りになりがちです。
代わりに使うのが、同じ時間に進んだ距離の比は速さの比と等しいという考え方です。
この比の関係さえ押さえれば、追いかけ算も出会い算も同じ手順で立式できます。
見分け方の軸は、2人(2台)の位置関係が近づく向きか、一方が他方を追う向きかという1点です。
追いかけ算は速さの差を使う
追いかけ算は、同じ方向に進む2人の差が縮まっていく設定です。
後から出発した側が、先に出発した側との距離を詰めていく場面をイメージしてください。
このとき使うのは、2人の速さの差です。
同じ時間で進む距離の比は、速さの比と一致します。
たとえば時速4kmの人と時速20kmの人が同時に地点へ着いたなら、進んだ距離の比は1対5です。
この比の考え方を使えば、先に進んでいた距離をどう按分すればよいかが見えてきます。
出会い算は速さの和を使う
出会い算は、互いに逆方向から近づいてくる2人(2台)が主役です。
2人の間の距離は、2人の速さを足した分だけ縮まっていきます。
離れた距離を速さの和で割れば、出会うまでの時間が求まります。
追いかけ算と混同しやすいのは、どちらも『距離が変化する』という点が共通しているためです。
向かい合っているか、同じ方向を追っているかを図で確認する習慣をつけると迷いません。



単位を分速か時速かで揃える
旅人算で失点しやすいのが、時速と分速が混ざったまま計算してしまうケースです。
速さの単位が揃っていないと、比も距離もすべてずれてしまいます。
コム大の講座では、時間を距離に置き換えて考える発想を紹介しています。
『家から10分の距離』という言い方をすることがありますが、これは時間を距離のように扱っている例です。
同じように、単位を先に統一してしまえば、時間と距離のどちらで考えても答えは一致します。
計算を始める前に、問題文の単位を時速なら時速、分速なら分速に揃える一手間を必ず入れてください。



状況図で和と差を見抜くコツ
言葉のパターン暗記に頼らず和と差を判断するために、コム大の講座では『紐図』という手順を使います。
これは公式を丸暗記して当てはめる『弾き』とは異なる考え方です。
弾きで解くやり方は、速さの問題以外には応用が利きません。
一方で図を使って推理する考え方を身につけると、他の単元にも応用できる力になります。
紐図を描いて向きを確認する
紐図とは、道のりを表す図を1本の紐に見立てて伸ばしたり畳んだりする発想です。
たとえば往復コースですれ違う場面では、2人が同じ場所から出発したように見えても、実際は反対方向から進んできています。
この場合、片道分の距離をもう一度足して紐を伸ばすと、全体の距離が正しく見えてきます。
コム大の講座では、この伸ばし方を身につけることが和と差の判断につながる、というのが講座の説明です。
言葉に惑わされないチェックリスト
『追いつく』『出会う』という言葉だけで和と差を決めないためのチェックポイントを整理します。
- 2人(2台)は同じ方向に進んでいるか、逆方向から近づいているか
- 出発地点は同じか、離れているか
- 求めたいのは時間か、距離か、それとも速さの比か
この3点を図に書き込みながら確認すれば、言葉に引きずられずに和と差を判断できます。
計算のスピードをさらに上げたい場合は、数的推理の解き方のコツも参考にしてください。



往復算と周回コースの考え方
旅人算は一直線の設定だけでなく、往復や周回のコースでも出題されます。
考え方の土台は変わりませんが、行きと帰り、あるいは1周分をどう区切るかが新しいポイントになります。
往復算は行きと帰りを分けて考える
往復コースの問題では、行きと帰りで速さが変わる設定がよく出てきます。
往復コースでは、途中でトラブルが起きて足止めされ、後半だけ速さを変えて予定通りに到着させるパターンもあります。
具体的な数値と立式は、この記事の後半にある例題で確認してください。
考え方の軸は、区間ごとに時間の比を出し、その逆比として速さの比を求める点にあります。
行きと帰りを別の区間として切り分けることで、速さが変わる場面でも同じ比の考え方が使えます。
周回コースは1周を基準に立式する
周回コースの問題は、1周分の距離を基準にして考えると立式しやすくなります。
一般的には、複数人が同じ地点から同じ方向、または逆方向に周回する設定が多いとされています。
同じ方向に進む場合は速さの差、逆方向にすれ違う場合は速さの和を使う点は、直線コースの旅人算と変わりません。
1周ごとに追いつく、あるいはすれ違うタイミングを整理しながら図に書き込むと、状況を把握しやすくなります。



応用パターンまで理解できても、自分の解き方が本番で通用するか不安になることもあるでしょう。
コム大では、数的処理の判断フローをその場で確認できる無料相談も受け付けています。
受験生がつまずく典型パターン
コム大の講座では、旅人算でつまずきやすい典型パターンが見えてきています。
多いのが、旅人算をxやyを使った方程式で解こうとして、変数が増えるほど混乱してしまうケースです。
コム大の講座では、xだけでは足りずyやzまで変数を増やしてしまい、式を整理しきれなくなると指摘しています。
もう1つの典型は、問題文の速さをすべて時速に換算してから計算しようとする癖です。
分速のまま比で処理したほうが速い場面でも、時速換算にこだわって計算量を増やしてしまいます。
コム大の講座では、これらのつまずきに対して、数学の方程式ではなく比による推理で解くよう繰り返し指導しています。
方程式に頼る癖と、単位換算へのこだわりの2点を意識するだけでも、計算のスピードは変わってくるでしょう。
解くスピードそのものを底上げしたい人は、数的推理を速く解く方法も確認してみてください。



例題と自力で解く練習問題
ここまでの考え方を使って、実際の例題と練習問題で判断フローを確認しましょう。
例題で立式から解答までを確認する
まずは追いかけ算、往復コースの故障、往復のすれ違いという3パターンの例題です。
コム大の講座で扱われた例題1(追いかけ算・同時到着)です。
- 問題:甲はA地点を出発し、B地点に向かって時速4kmで歩きました。
乙はA地点を遅れて出発し、自転車で時速20kmであとを追いかけ、2人は同時にB地点へ到着しました。
A地点とB地点の距離が10kmだとすると、乙がABの中点にいたとき、甲と乙は何km離れていたでしょうか。 -
同じ時間に進む距離の比は、速さの比と同じく4対20、つまり1対5です。
距離10kmのうち比5が10kmに対応するため、比1は2kmにあたります。
これは乙の出発後、両者が同時に進んでいる間に甲が進む距離です。
乙が出発する前に、甲はすでに8km進んでいました。
乙がABの中点である5km地点まで進んだとき、残りの距離をこの1対5の比で按分すると、甲の残りは1km、乙の残りは5kmになります。
このときの2人の間の距離は4kmです。
続いて例題2(往復コースの故障・速さの倍率)です。
- 問題:ある船が一定の速さで航行していましたが、全航程のちょうど半分の地点で故障し、最初に予定していた全所要時間の10分の1にあたる時間、その場にとどまりました。
故障が直った後、目的地に予定通り到着するには、後半の速さを故障前の何倍にする必要があるでしょうか。 -
解答:全体を『10分の道のり』と仮定すると、予定では前半5分・後半5分です。
故障で足止めされた時間は全体の10分の1、つまり1分です。
残りの時間は10分から前半の5分と故障の1分を引いた4分になります。
後半の同じ距離を、予定の5分ではなく4分で進む必要があるということです。
かかる時間の比は予定と実際で5対4なので、速さの比はその逆比の4対5になります。
つまり、故障前の速さの4分の5倍(1.25倍)に上げれば、予定通りに到着できます。
どの例題も、同じ時間に進む距離の比を速さの比に置き換えるという手順は共通しています。
紐図で向きを確認し、比を作ってから計算に入る流れを、3パターンとも同じように使ってみてください。
練習問題で判断フローを試す
最後に、自分の手で判断フローを試せる練習問題を2問用意しました。
- 問題1(往復コース):ある区間を一定の速さで往復する予定でしたが、全体のちょうど3分の1を過ぎた地点でトラブルが発生し、予定していた所要時間の6分の1にあたる時間、足止めされました。
予定通りに到着するには、残りの区間を足止め前の何倍の速さで進む必要があるでしょうか。 -
解答の方向性:全体を12分の道のりと仮定し、足止め前後の時間配分を比で整理してみてください。
- 問題2(周回コースのすれ違い):1周3kmのコースを、Tさんは分速180m、Uさんは分速120mで同じ地点から反対方向に同時に出発しました。
2人が最初にすれ違うのは出発から何分後でしょうか。 -
解答の方向性:反対方向に進む2人の間の距離は、速さの和で縮まっていきます。
旅人算と並んで頻出の判断推理も気になる人は、判断推理の解き方のコツを参考にしてください。
この記事で紹介した見分け方の軸を、まずは問題文の言葉ではなく図で確認するところから始めてみてください。



まとめ
旅人算は、追いかけ算なら速さの差、出会い算なら速さの和という判断が基本です。
言葉のパターンで覚えるのではなく、紐図で向きを確認する習慣をつけると、往復や周回コースにも応用できます。
単位を揃える一手間と、比で考える視点を持てば、本番の類題にも自力で立式できるはずです。
コム大では、こうした判断フローを実際のライブ授業で繰り返し確認できます。



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