数的処理の順列と組み合わせの問題で「これはPだっけ、Cだっけ」と手が止まった経験はありませんか?
その迷いを無くす方法はたった1つ、「並び順を問う」です。
この記事では、並び順で一瞬で見分ける方法と、忘れにくい語呂合わせを解説します。
さらに公務員試験で頻出の円順列や分配問題まで、コム大の講座で使われている教え方をもとに紹介します。
丸暗記に頼らず、感覚で公式を選べるようになりたい人に向けた内容です。
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順列と組み合わせを見分ける基準は「並び順を問うか」
数的処理の順列・組み合わせ問題で最初に立てるべき問いは1つだけです。
「並び替えると結果が変わるかどうか」という視点です。
並び順によって答えが変わるなら順列(P)、並び順を問わず選ぶだけなら組み合わせ(C)を使います。
たとえば3人を1列に並べる場合、ABCとBACは別の並び方として数えます。
一方で3人の中から2人を選ぶだけなら、選ばれた顔ぶれが同じなら1通りです。
多くの受験生は公式の形を先に覚えようとしてつまずきます。
コム大の講座では、公式より先に「この問題は並び順を聞いているか」を確認する順番を徹底しています。
この視点の有無が、初見の応用問題への対応力を左右するのです。
出題傾向を見ても、数的処理は限られた出題数の中で頻出パターンが決まっています。
詳しくは地方上級 数的処理 出題傾向も参考にしてください。
次の章から、PとCそれぞれの公式と、間違えやすいポイントを見ていきます。



順列(P)の公式と計算のコツ
順列の公式はnPr、意味は「n個の中からr個を選んで並べる場合の数」です。
仕組みを理解すれば、公式を忘れても自力で組み立てられます。
nPrの公式が表す意味と階乗の計算
nPrの正体は、1人ずつ順番を決めていく掛け算です。
たとえばA、B、C、Dの4人を1列に並べる場面を考えます。
先頭に立つ人を決める、かつ2番目を決める、かつ3番目を決める、かつ最後を決める。
この4段階を順にこなすと考えれば、4×3×2×1=24通りと導けます。
先頭は4人から選べますが、2番目は残り3人からしか選べません。
1人決めるたびに選べる人数が1人ずつ減っていく仕組みです。
公式化すると毎回この手順を考えずに済むので便利になります。
ただし公式の意味を忘れると、次に説明する落とし穴にはまりやすくなります。
公式Pを丸暗記すると間違えるケース
nPrは便利ですが、盲目的に当てはめると誤答を招く場合があります。
代表例が「0から5の6個の数字から3つ選んで3桁の整数を作る」問題です。
一見6個から3個を並べるだけなので、6P3で計算したくなります。
しかし0が百の位に来ると3桁になりません。
百の位に使えるのは1から5の5通りだけです。
そのため6P3をそのまま使うと、実際の答えとずれてしまいます。
コム大の講座では、こういうときほど1桁ずつ決める手順に戻ることを勧めています。
具体的には「まず百の位を決める、かつ十の位を決める」という順番です。
公式に頼りすぎず、意味に立ち返る姿勢が結果的にミスの少なさにつながるのです。
順列は必ずしも一定のペースで数字が減っていくとは限りません。
条件によって減り方が変則的になる場合があるので、公式を当てはめる前に一度立ち止まる習慣をつけましょう。



組み合わせ(C)の公式と計算のコツ
組み合わせの公式はnCr、意味は「n個の中からr個を選ぶ場合の数(並び順は問わない)」です。
順列と違い、選んだあとの並べ方は数えません。
nCrの公式と約分のコツ
nCrはnPrをr!で割ることで求められます。
これは「並べる場合の数」から「並び順の重複」を除く考え方です。
たとえば5C2を計算する場合、まず5P2=5×4=20を出します。
次に2人の並び方2!=2で割ると、5C2=20÷2=10通りです。
分数のまま約分すると計算が速くなります。
5C2なら5×4/2×1と書き、先に2で割ってから掛けると数字が小さいまま計算できます。
大きい数のCrを求めるときほど、先に約分しておく癖が計算ミスを防げるのです。
組み合わせが得意な人は「日本語が上手」な人
コム大の講座には、順列組み合わせが得意な人についての印象的な言い回しがあります。
松尾講師のコメント
「僕のうたい文句のところで、順列組み合わせが得意な人っていうのは、日本語が上手な人だよっていうふうに言っています。」
問題文の条件を正確に読み取れるかどうかが、公式選びよりも先に効いてくるという指摘です。
「かつ」でつながる条件なのか、「または」でつながる条件なのかを読み違えると、正しい公式を選んでも答えを間違えます。
つまり計算力より先に、条件文を丁寧に読む国語力が問われているのです。
この視点を持つと、複雑に見える問題文も条件ごとに整理して読めるようになります。



忘れない覚え方・語呂合わせ・イメージ付け
公式は覚えていても、本番の緊張状態では思い出せないことがあります。
そこで役立つのが、感覚的なイメージで公式を体に染み込ませる方法です。
「かつ」は掛け算、「または」は足し算
コム大の講座で繰り返し使われる言い換えがあります。
「かつ」は掛け算、「または」は足し算という覚え方です。
「これを決めて、かつ、これも決めて、ようやく求める答えになる」という場面では掛け算を使います。
一方で「Aのパターン、またはBのパターン、いずれかで条件を満たせばよい」という場面では足し算です。
先ほどの順列の1人ずつ決める手順も、実は「先頭を決める、かつ、2番目を決める」という掛け算の連続でした。
後ほど紹介する部屋割り問題でも、この「または=足し算」の考え方がそのまま使えます。
迷ったら「これは両方とも必要な条件か、どちらか一方でよい条件か」を自分に問いかけてみましょう。
順列は「だんだん」小さくなるイメージで覚える
順列の計算は、選べる数がだんだん小さくなっていく掛け算としてイメージすると覚えやすくなります。
4人を並べる場合なら4×3×2×1のように、使える人数が1人ずつ減っていく形です。
ただしこの「だんだん小さくなる」イメージだけに頼るのは危険です。
先ほどの0を含む3桁の整数の例のように、条件次第では減り方が一定にならないことがあります。
コム大の講座でも、機械的にだんだん減らして公式を当てはめるだけでは間違えやすい問題があると注意が促されています。
イメージはあくまで公式の意味を思い出す入り口として使い、最終的には「1つずつ決めていく」手順に立ち返ることが大切です。



公務員試験で頻出の応用パターン
順列・組み合わせの基本を押さえたら、次は公務員試験ならではの応用パターンです。
高校数学の教材ではあまり扱われない、独特の出題形式が複数あります。
判断推理の解き方と同じく、パターンを知っているかどうかで解答速度が大きく変わる分野です。
円順列は「全体を円形に並べる」と「中の並べ方」に分ける
円卓に座る問題では、円順列の公式n-1の階乗を使います。
たとえば4組の夫婦が円卓に座り、各夫婦が隣り合う条件の問題を考えます。
まず各夫婦を1つの塊とみなすと、円卓には4つの塊が並ぶ形になるのです。
4つの塊の並べ方は円順列で(4-1)!=3!=6通りです。
次に各夫婦の中の並び方(夫が右か妻が右か)は2通りずつ、4組分なので2×2×2×2=16通りです。
「塊の並べ方」と「各夫婦の中の並べ方」は同時に決める必要があるため、かつでつなぎ6×16=96通りとなります。
コム大の講座では、一気に計算しようとせず「これを決めて、かつ、これも決める」と分けて考える姿勢が強調されています。
場合分け+和の法則で解く部屋割り問題
複数人が部屋に分かれる問題では、条件を場合分けしてから足し算する解き方が定番です。
たとえばA〜Hの8人が2人部屋・3人部屋・3人部屋に分かれ、AとBは必ず同室という条件を考えます。
AとBがどの部屋に入るかで3通りに場合分けします。
AとBが2人部屋なら、残り6人から3人部屋の1つを選ぶ組み合わせで20通りです。
AとBが3人部屋の一方に入る場合は、残り1枠を6人から選び、さらに残り5人から2人部屋を選ぶ形で60通りです。
もう一方の3人部屋に入る場合も同じ手順で60通りになります。
3つの場合は同時には起こらないため「または」でつながり、20+60+60=140通りと足し算するのです。
重複順列と仕切り棒で解く分配問題
同じ種類のものを含む並べ替えは、重複順列の公式で解きます。
公式は全体の並べ替え(n!)を、同じものそれぞれの並べ替え(各重複数の階乗)で割る形です。
たとえば赤3枚・青2枚・白1枚の合計6枚のカードを並べる場合、6!/(3!×2!)=720/12=60通りです。
配分問題ではこの考え方を応用し、仕切り棒を使う解き方が定番になっています。
たとえば同じ鉛筆6本をA・B・Cの3人に配る場合(もらえない人がいてもよい条件)で見てみましょう。
鉛筆6本と仕切り棒2本、合計8個を1列に並べ替えると考え、8!/(6!×2!)=28通りと計算します。
棒の位置によって、棒より左がAの本数、棒の間がBの本数、残りがCの本数を表す仕組みです。
「最低1本は必ずもらえる」条件付き分配問題の解き方
分配問題には「全員が最低1本は必ずもらえる」という条件が付くこともあります。
この場合は、先に全員へ1本ずつ配ってから残りを仕切り棒で計算するのが基本の流れです。
鉛筆6本をA・B・Cに配り、全員最低1本の条件なら、先に3本を配ってから残り3本を考えます。
残り3本と仕切り棒2本、合計5個の並べ替えなので5!/(3!×2!)=120÷12=10通りです。
「Aは2本以上、Bは1本以上」のように人ごとに条件が異なる場合も考え方は同じです。
先に条件分の本数を配っておき、残りだけを仕切り棒で計算すれば求められます。
辞書式順列(3桁で3の倍数)の解き方
1から5の数字を使い、重複を許して3桁の3の倍数を作る問題もよく出ます。
各位の数字の和が3の倍数なら、その数全体も3の倍数になるという性質を使います。
数字の組み合わせを3グループに分けて辞書式に漏れなく探していく作業です。
最後に5+12+24=41通りと合計します。
辞書式に順番通り探す作業は焦ると漏れが出やすいため、普段から丁寧に探す練習が欠かせません。
応用パターンをここまでの例題の答えとあわせて整理すると、次のようになります。



例題で解く条件付き座席配置問題
最後に、複数の条件が重なる座席配置問題を通しで解いてみます。
コム大の講座では、この手の問題を「はめ込み型」と呼んでいます。
まず自分の中ではめ込んでいき、決まるところから順番にやっていく解き方です。
松尾講師のコメント
「このときにポイントなんが、固定した方がいいよ。」
問題はA〜Jの10人が3人掛け・4人掛け・3人掛けの座席に座る設定です。
条件は「AとFが窓側」「AとBとCがまとまった席」「DとEが隣り合わない」の3つ。
まず決まりやすい条件から仮に固定していきます。
AとFの窓側の位置は2通り、B・Cのまとまりの並び順は2通りです。
残り6人をDとEが隣り合わないように並べる場合の数は、6人の並べ方720通りのうちDとE隣接分を除いて求めます。
6席からD・Eの2席を選ぶ組み合わせ15通りから、隣り合う4通りを除くと11通りです。
D・Eの並び順2通りと、残り4人の並べ方24通りを合わせます。
すべてを「かつ」でつなぐと2×2×11×2×24=2,112通りが答えです。
条件が多い問題ほど、決まりやすいところから1つずつ固定する姿勢が有効です。



まとめ|PとCは「並び順」で見分けて得点源にする
順列と組み合わせの判断基準は「並び順を問うか」の1点に尽きます。
迷ったときは公式の形より先に、この問いに立ち返りましょう。
「かつは掛け算、またはは足し算」という言い換えや、順列の「だんだん」イメージも、公式の意味を思い出す助けになります。
円順列・仕切り棒を使う分配問題・辞書式順列といった応用パターンは、対策すれば得点源に変わる分野です。
さらに演習を重ねたい場合は、数的処理の勉強法もあわせて確認してみてください。
1問ずつ「これは並び順を問うか」を確認する習慣をつければ、本番でも迷わず公式を選べるようになります。



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