「高卒で公務員を目指したいけど、自分にも本当に受かるチャンスはあるのだろうか」
「できるだけ確実に合格できる職種を知りたい」
このように不安を感じながら公務員試験に臨もうとしている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、「高卒だと本当に公務員試験に受かりやすいのか?」という疑問に答えながら、実際に受かりやすい職種や、高卒で目指すメリット・デメリットについて丁寧に解説します。
自信を持って試験に臨みたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
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まずは高卒程度の試験区分について知っておこう

公務員試験には「大卒程度」「高卒程度」といった区分があり、受験資格や出題内容も異なります。
試験区分について以下の表でまとめました。
区分 | 受験資格 |
---|---|
高卒程度(初級) | 18〜21歳程度(試験と同年度内に18歳になれば17歳も対象) |
短大・専門卒(中級) | 21〜30歳程度(自治体や職種によってはない場合もある) |
大卒程度(上級) | 22〜30歳程度 |
社会人経験者 | 社会人経験を有する30〜50歳程度 |
一見すると高卒程度・大卒程度と学歴で試験が分けられていますが、実質的には年齢で分けられている場合がほとんどで、年齢制限を脱していなければ高卒の人でも大卒程度の試験が受けられます。
年齢制限は、各自治体や職種によって異なるため、自分が受験しようとしている自治体のホームページ等でチェックしておきましょう。
それでは、高卒程度の試験についてより詳しく解説していきます。
高卒程度の試験内容には専門科目がない
高卒程度の公務員試験の最大の特徴は、教養試験の出題科目が教養科目のみであることです。
出題分野 | 科目 |
---|---|
文章理解 | 現代文 古文 英文 |
数的処理 | 数的推理 判断推理 資料解釈 空間把握 |
社会科学 | 政治 経済 社会 時事 |
人文科学 | 日本史 世界史 地理 文学・芸術・思想 |
自然科学 | 物理 化学 生物 地学 数学 |
専門試験が課される大卒程度の区分と異なり、法律や経済といった高度な専門知識を問われることはありません。
文系・理系にかかわらず高度な問題が出題されず、試験内容も高校で学習する範囲と重なる内容ばかりです。
そのため、高校在学中からしっかりと学力の基礎を固めておけば、十分に合格が狙えるレベルに達するでしょう。
高卒程度の試験は9月に行われることが多い
高卒程度の公務員試験は、例年9月頃に実施されることが多く、準備期間を逆算するうえで重要なポイントです。
たとえば2025年の試験日程では、国家公務員(一般職)は9月7日、地方公務員(特別区)は9月14日、地方初級は9月28日となっています。
一方で大卒程度は6月に実施されることが多いため、高卒程度の試験よりも準備期間が短めです。
高卒程度でも公務員試験に受かりやすいわけではない

高卒程度の試験には専門科目がなく、問題の難易度も低めではありますが、決して合格しやすいわけではありません。
受験者数が多いため倍率が高く、合格するにはしっかりとした対策が必要です。
さらに、1次試験に無事合格できたとしても、面接が控える2次試験で落とされる受験生もたくさんいます。
高卒程度の試験の倍率と面接試験について、より詳しく見ていきましょう。
高卒程度の倍率は大卒程度よりも高くなりがちだから
高卒程度の試験の多くは、大卒程度の試験よりも倍率が高くなりがちです。
大卒程度は募集人数が多い職業がほとんどである一方、高卒程度は募集人数が少ない割に、受験者数が非常に多くなっています。
自治体や職種によっては10倍以上の倍率になることもザラにあるため、高卒程度での受験を考えている場合は、競争が激化することを覚悟しておきましょう。
筆記試験がかんたんでも面接試験で落とされるから
高卒程度の試験は筆記試験の難易度が低めであるため、1次試験では受験者同士に大きな差はつきません。
その代わりに面接試験の比重が高くなり、多くの受験者が2次試験で落とされてしまいます。
面接試験で特に重要視されることを以下にまとめました。
- 公務員としての適性
地域住民のために働きたいという意欲や、ルールを守る誠実性や協調性があるかどうか - 人柄
ハキハキとした受け答えや正しい言葉遣い、的確な解答ができるかどうか - 志望動機の明確さ
なぜこの職種・自治体でないといけないのか
志望動機や自己PRでは、自分ならではのセールスポイントをエピソードとともに作ることで、他の受験者と差別化することができます。
準備が足りないと不合格まっしぐらですので、不安な方はプロに模擬面接をしてもらいましょう。
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高卒程度の方が比較的受かりやすい職種を紹介

高卒程度で受験できる公務員の職種には、以下のような職種があります。
国家公務員 | 一般職税務職員 皇宮護衛官 入国警備官 裁判所職員 一般職航空管制官 など |
---|---|
地方公務員 | 都道府県庁職員 市区町村役場職員 警察官 消防官 学校事務員 など |
国家公務員・地方公務員ともに高卒程度で目指せる職種はさまざまですが、高卒程度の試験では倍率が非常に高く、受かりづらい職種も多数あります。
そこで本章では、高卒程度で目指せる職種のうち、比較的倍率が低くて合格しやすい職種に焦点を当ててご紹介します。
少しでも受かる確率を高めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
国家公務員(一般職)
国家公務員の一般職における高卒程度の倍率は、約2〜5倍です。
人事院が発表する2024年度のデータによると、北海道や関東、東北、近畿、中国地方では倍率が約2〜3.5倍と低くなっているものの、九州地方や沖縄県の倍率は約7倍と高めになっており、地方ごとに大きく差があります。
- 政策の実行に必要な資料作成・データ分析・予算管理
- 窓口業務・相談対応・現地調査など、地域に密着した業務
- 関係機関との連絡調整
基本的な勤務先は東京(霞が関)の省庁で、2〜3年で地方への出向があるのが特徴です。
政策にかかわる業務が主ですが、出向時の勤務先によっては電話対応等の窓口業務を行うこともあります。
税務職員
国家公務員の一種である税務職員の倍率は、高卒程度で約2.5〜4倍です。
こちらも人事院が発表する2024年度のデータによると、沖縄県のみが8.9倍と高い倍率となっていますが、他の地方では倍率が低くなっています。
- 申告された税額の確認や税金の徴収
- 税務調査のために納税者の事業所や自宅を訪問
- 納税証明書の発行や還付金処理
- 財産調査や差し押さえの手続き
勤務先は霞が関にある国税局や全国各地の税務署です。
10〜15年勤務すると、税理士試験の科目の免除を受けることもできます。
刑務官
国家公務員の一種である刑務官の倍率は、約2〜4倍程度です。
社会人枠や後述する武道枠は別としますが、試験は大卒・高卒ともに一緒の内容で、区分は男女でしか分かれていません。
人事院が発表する2024年のデータによると、男性の倍率が約2.4倍なのに対し、女性は約5.2倍と高めです。
2次試験では、消防官や警察官の採用試験と同様に、体力検査が行われます。
また、柔道・剣道のどちらかの実技に優れていれば、実技審査を伴う「武道」という区分を受けることも可能です。(この場合2次試験の体力検査は免除)
- 刑務所や拘置所における、収容者の指導・監督
- 収監施設の警備
- 収容者の記録管理や健康管理
- 収容者の社会復帰に向けた関係機関との連携
勤務地は全国の刑務所や拘置所です。
採用決定後は、法令の知識や護身術を学ぶために初等科研修を受けることになります。
地方初級(行政職)
地方公務員として都道府県庁や市役所等で働く行政職は、高卒程度で約1.5〜10倍と幅広い倍率です。
都道府県庁や政令指定都市では高い倍率になりがちですが、人口の少ない市町村の倍率は比較的低くなっています。
地域によって倍率の差が非常に大きいため、受験しようとしている自治体のホームページは必ずチェックしておきましょう。
ちなみに、以前は人気があり倍率も高かった特別区の行政職ですが、近年では募集人数が増えて倍率も下がり気味です。
- 住民票や各種証明書の発行などの窓口業務
- 行政文書の作成や資料整理などの事務作業
- 地域住民に向けてのイベント運営や交流などの地域活動
一部の地域では、従来の教養試験の代わりに「SPI3」という試験が導入されています。
「SPI3」はまだ導入されて間もない試験ですので、今後の倍率の変化が読めない部分もあり、注意が必要でしょう。
地方初級(技術職)
「土木」「建築」「電気」「機械」という技術的な仕事を請け負う地方公務員の技術職は、高卒程度で約1.5〜4倍程度の倍率です。
一部地域では8倍以上の高い倍率になっていることもありますが、基本的には倍率が低くなっています。
- 土木:道路・河川の整備や、区画整理など
- 建築:公共住宅の整備・管理や、都市計画にかかわることなど
- 機械:上下水道の機械整備や、道路・公園などへの機械設備の設置など
- 電気:発電所の管理・運営や、公共システムの開発など
勤務地は行政職と同様、都道府県庁や市役所です。
高卒程度の公務員試験ながらも、各分野の専門知識を問う「専門科目」が出題されます。
もし農業科や工業科などの高校に在籍している場合は、受験する候補の1つとして考えてもよいでしょう。
高卒で公務員になるメリット3選

高卒で公務員になると、大卒程度で受験する人にはない以下のようなメリットがあります。
- 学力をそのまま試験対策に活かせる
- 教養試験の難易度が低め
- 早くから公務員としての経験が積める
どのように有利にはたらくのか、具体的に見ていきましょう。
高卒で公務員になるのは不利だと感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
学力をそのまま試験対策に活かせる
高卒程度の教養試験は、高校までの学習内容をベースに出題されます。
つまり、普段学校で勉強している内容がそのまま試験対策になるというのが大きなメリットです。
とはいえ、数的処理や時事問題など、学校のテストでは出題されないような形式の問題もあるため、個別での対策も必要になります。
暗記系科目ばかりの人文科学や自然科学は、習ったことのある科目を復習するだけですので、得点もしやすいでしょう。
教養試験の合格ラインとされている、全体の6〜7割は、真面目に学業に取り組んでいる方なら難なくクリアできます。
教養試験の難易度が低め
高卒程度の教養試験は、大卒程度と比べて難易度が低めに設定されています。
対策しなければならない範囲が狭いため、必要な学習時間もそこまで多くありません。
当然、国家公務員など職種によっては難易度が高めの場合もありますが、それでも半年間以上きっちりと勉強すれば、誰でも十分合格を目指せます。
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早くから公務員としての経験が積める
高卒で公務員になる最大のメリットは、最速で社会人としてのキャリアをスタートできることです。
大卒者と比べると4年間もプラスして現場経験ができるため、年齢の割に経験豊富な職員として活躍できますし、早めに経済的自立もできます。
消防官や警察官など、経験年数が重要になる職業も多いため、大卒者よりも早めに働けるのは、大きなアドバンテージです。
公務員は安定的な職業ですので、すぐに堅実な将来設計ができる点も嬉しいポイントですね。
高卒で公務員になるデメリット3選

高卒で公務員になるのは、大卒者が公務員になるのと比べてデメリットとなる部分も存在します。
- 出世が遅い・できない可能性がある
- 給与が低い
- もしもの時の選択肢が狭い
100%デメリットと言えない部分も多いのですが、上記のことを理解せずに進路を決めてしまうと、公開や不満につながる可能性もあるため注意しましょう。
出世が遅い・できない可能性がある
大卒で公務員になった人と比べて、高卒で合格した人は出世がしづらくなる場合があります。
課長程度の役職までなら同じスピードで昇進するといわれていますが、それよりも上の役職になるのは大卒が有利で、場合によっては昇進すらできない可能性もあるため注意が必要です。
実務能力や人柄によって抜擢されるケースもあるため、一概に出世できないとは言えませんが、どんどんキャリアを上げたいという上昇志向が強い方は、高卒程度で受験するかどうかをよく考えた方がよいでしょう。
給与が低い
高卒で公務員になった人は、大卒程度で合格した人に比べて初任給が低くなります。
以下は、人事院が発表した「令和7年度初任給例」における本府省採用の国家公務員一般職の初任給と、総務省が発表した「令和5年地方公務員給与の実態」における地方公務員一般行政職の初任給平均です。
初任給 | 地方公務員 | 国家公務員 |
---|---|---|
高卒程度 | 約158,332円 | 約232,800円 |
大卒程度 | 約190,966円 | 約271,200円 |
上記はあくまで初任給であり、生涯賃金で考えると公務員においてはそこまで大卒・高卒で大きな差はないといわれています。
とはいえ、基本的には大卒程度の方が給与は高く設定されているため、少しでも多く稼ぎたいと考えているなら、高卒程度での受験は一度検討してみましょう。
もしもの時の選択肢が狭い
高校卒業後、新卒として公務員になる場合は、もし他業種への転職をしようと思った場合にキャリアチェンジが難しくなる可能性があります。
これは、実務経験が公務特有のものであったり、民間企業が重視する学歴・資格要件を満たしていなかったりするためです。
特に30代以降になると、再就職市場では即戦力や専門性が重視されます。
そのため、転職する可能性が少しでもあるなら、資格取得や自己学習をして万が一に備えておきましょう。
まとめ
本記事でご紹介したとおり、「高卒程度の試験だから受かりやすい」ということは一切ありません。
もし少しでも受かりやすさを上げたいならば、倍率が比較的低めの職種を狙うか、徹底的に対策して他の受験者と差を付けることに尽力しましょう。
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