「面接カードに何を書けばいいのか分からない」「エピソードが弱くて面接で活かせるか心配」と悩んではいませんか?
特別区を受験する際、面接カードの完成度は面接時の評価を大きく左右するポイントです。
一見すると書くのに苦労しそうな面接カードですが、実は面接官が見ているポイントはある程度共通しており、書き方のコツさえ知れば評価される面接カードに仕上げられます。
本記事では、必ず知っておきたい面接カードの基礎知識から、質問別の書き方、合格者の例文、注意すべきポイントを解説。
面接本番でもブレない“合格できる面接カード”を作り、公務員になるという目標を叶えたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
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特別区の面接カードについての基礎知識


面接カードは、面接官が受験生を理解するための土台となる書類です。
内容の質が面接の進み方を決めるため、質問の意図を正確に理解して書かなければなりません。
本章では、面接カードがどのような内容になっているのか、面接時にどのように活きてくるのかを解説していきます。
面接カードの質問内容は3つ
特別区の面接カードで問われる内容は、以下の3つです。
- あなたが特別区でどのような仕事に挑戦したいか、あなたの強みと志望動機も含めて具体的に書いてください。
※面接の冒頭に3分間程度のプレゼンテーションあり - あなたが一つのことをやり遂げた経験を挙げ、その中で最も困難だと感じたことと、それをどのように乗り越えたかを教えてください。
- 目標達成に向けてチームで行った経験において、チームへの貢献につながったあなた独自のアイデアを、ご自身の役割とともに教えてください。
これらの質問は、受験生の価値観・行動・協働姿勢を確認するために設けられています。
例えば、①は仕事理解の深さ、②は課題への向き合い方、③は他者との関わり方が明確に表れます。



面接官が何を判断したいのかを意識して書くことで、よりあなたの魅力が伝わるようになるでしょう。
面接試験は面接カードをもとに質問される
面接カードは、面接官が事前に受験者の人物像・過去の経験・志望動機等を把握し、面接での質問テーマを設定するためのものです。
カードに記載した内容がそのまま面接時の質問に反映されるため、曖昧な表現をしたり、一貫性のない主張をしたりするのはやめましょう。
面接官があなたの思考や行動基準を判断しづらくなってしまいます。
逆に面接カードを丁寧に作っておけば、面接官があなたを評価しやすくなると同時に、スムーズな受け答えができるようになります。



面接本番を想定して書くことが、最終的な評価アップにつながるでしょう!
面接カードの作成・提出時期について


特別区の面接カードは、受験の申し込みの際にオンラインで提出します。
面接カード作成には、自己分析・エピソード整理・志望動機作成など多くの工程を伴うため、作成期間はある程度確保しておきましょう。
筆記試験対策にしっかりと時間を充てるためにも、面接カード作成は試験の申込開始日の1ヶ月前程度に完成させておくと安心です。
また、書き終わった面接カードは後日あらためて読み返し、何度も推敲を重ねてより良い面接カードを仕上げましょう。



試験の申込期間は約2週間程度ありますが、直前に慌てて作成してしまうと、申込期間内に間に合わなかったり、質の低い文章になってしまったりしますので、余裕を持って取り組むことが大切です。
【質問別】面接官が見ているポイントとは?合格者の例文も紹介


面接カードに記されている3つの質問はそれぞれ異なる評価軸を持っており、質問ごとにアピールすべき点が異なることを理解しておきましょう。
- 質問①:志望動機・あなたの強み・挑戦したい仕事
- 質問②:やり遂げた経験・困難の乗り越え方
- 質問③:協調性・役割理解・チーム貢献
上記のポイントを理解しておけば、「何を」「どのようにして」伝えるべきかがわかります。
それぞれの質問ごとの注意点や、合格者の例文を紹介しますので、ご自身で書く際の参考にしてみてください。
質問①:志望動機・あなたの強み・挑戦したい仕事
質問①は、特別区職員としてどのように区民や地域社会へ貢献したいのか、そのためにどんな力を発揮できるのかを総合的に示すことが求められています。
- なぜ東京都職員や国家公務員ではなく特別区で働きたいのか
→入庁後のミスマッチが少ない人材か、地域に密着した行政への熱意がある人材かを判断 - 受験者の持つ能力が行政の現場でどのように役立つのか
→多様な仕事に能力を還元できるか、自身の行動特性を理解しているか、課題解決能力があるかを判断 - 特別区の施策や課題を知っているのか
→区政のどの領域に関心があるのか、受験者をどの部署に配置するべきか、区政の研究をどれだけしたのかを判断
上記3つの要素をまとめると、質問①は「この人と一緒に仕事がしたいかどうか」「区民のために動いてくれる人かどうか」を判断するための設問となっています。
強みを書く際は仕事につなげられるような部分をアピールをするべきですし、挑戦したい仕事も自身の強みと関連付けられると良いでしょう。



「挑戦したい仕事 → その理由(志望動機) → その業務に活かせる強み」という“因果関係”を作ることがポイントです!
合格者の例文
私は、多様なニーズが集中する特別区で、区民に最も近い行政サービスを提供できる点に強く魅力を感じ、入庁を志望しました。挑戦したいのは、年間数十万件の相談が寄せられる子育て支援窓口でのきめ細かな対応です。私の強みは「相手の状況を丁寧かつ的確に把握し、情報を伝える力」です。塾講師のアルバイトで約50名の保護者面談を担当した際、課題を整理し計画を提案した結果、保護者満足度92%を達成しました。この力を特別区の住民対応の現場で発揮し、地域に根ざした支援を通じて都市行政の信頼性に貢献したいです。
質問②:やり遂げた経験・困難の乗り越え方
質問②は、あなたが目標に向かって粘り強く取り組んだ経験を通じて、困難への向き合い方や問題解決の姿勢を具体的に示すことが求められています。
- やり抜く力や目的に向かって計画的に動けるかどうか
→途中で投げ出さず、粘り強く取り組めるか、問題把握・計画・実行・改善という、仕事の進め方にも通ずるプロセスを経験しているかを判断 - 困難に直面したときにどう考え、どう動く人なのか
→困難に直面した際に出る本当の人柄、仕事への姿勢、どのような価値観を持っているのかを判断
上記の要素をまとめると、質問②は「行動に一貫性はあるかどうか」「問題解決能力はあるかどうか」「今後伸びしろのある人材かどうか」を判断するための設問となっています。
やり遂げた結果よりもプロセスを重視し、数値・状況など困難の実態を具体化することで、仕事でも発揮できる“再現性のある強み”をアピールできるでしょう。



最後に「この経験で得た力を今後の行政職で活かしたい」とまとめると、説得力が増します!
合格者の例文
私は、アルバイト先で新人教育を任された際、指導方法がうまく伝わらず業務ミスが続いた経験があります。当初は自分の説明不足が原因だと感じ、業務手順を細分化し、チェックリストを用いて一緒に確認する方法へ改善しました。さらに、相手が質問しやすい雰囲気をつくるため、業務後の振り返り時間を設けたところ、徐々にミスが減少し、最終的には自立して業務を進められるようになりました。この経験から、問題の原因を冷静に分析し、相手に合った方法で改善策を考える姿勢の重要性を学びました。
質問③:協調性・役割理解・チーム貢献
質問③は、あなたがチームの一員としてどう行動し、役割を果たしながら周囲と協力して成果を生み出してきたかを具体的に示すことが求められています。
- 協調性を持って“調整業務”ができるかどうか
→課内・課外・事業者との調整が円滑にできる人か、住民の相談・クレーム・説明などが円滑に行えるかどうかを判断 - 環境が変わっても早期に対応し、与えられた役割を果たせるかどうか
→多人数で動くことが基本の行政において立場を理解して動けるか、部署が変わってもチームに溶け込めるかを判断 - 一緒に仕事をするチームにどのような価値を提供できるか
→多様性の中で合意形成を図れる人材か、個人の成果物としてではなく区としての政策・制度・支援の形で成果を上げられるかを判断
上記の要素をまとめると、質問③は「区職員として人と協力して働けるかどうか」を判断するための設問となっています。
エピソード内で自身の役割と具体的な成果を書くことで、面接官もあなたの特性を理解しやすくなるでしょう。
自分がそこで得た学びは何なのかも加えると、チームワークの再現性やあなたの成長性が伝わるためおすすめです。



「自身の役割 → 行動 → チーム全体への効果」の流れで書くことで、自然な文章に仕上がります!
合格者の例文
ゼミで地域課題をテーマにした発表を行った際、私は5名のメンバーをまとめる進行管理役を担当しました。調査内容が重複し作業が停滞していたため、進捗が一覧で確認できる共有シートを作成し、週1回の打合せで内容を整理する仕組みを提案しました。その結果、作業時間を約30%削減でき、発表内容も一貫性のある仕上がりになりました。また、意見が対立した場面では双方の主張を整理して論点を明確化し、合意形成につなげました。私は、特別区の業務でも協力しやすい環境を整え、チームの力を引き出す役割を果たしたいです。
【合否を分ける】面接カードで注意するべき10のポイント


面接カードの内容がどれだけ魅力的でも、文章で面接官に伝わらなければ高評価につながりません。
本章では、面接カードを書くときのポイントを10個紹介します。
文章を書くのが苦手な人でも魅力的な面接カードが書けるようになるので、ぜひ参考にしてください。
①結論ファーストで分かりやすく書く
面接カードの文章は、必ず結論から書き始めることを徹底してください。
これは、面接官が膨大な数のカードを短時間で読み込むため、最も伝えたい内容を瞬時に把握できるようにするためです。
例えば「経験」を問う設問では、「〇〇という経験で、私は〇〇を学びました」のように、結論(学びや成果)を文頭に持ってくることが重要です。
結論が曖昧なまま、長々と背景の説明から入ってしまうと、面接官は「結局何が言いたいの?」と感じてしまい、あなたの記述内容に対する関心を失ってしまう可能性が高まります。
まず結論を提示し、その後に理由や具体的なエピソードを展開することで、論理的で分かりやすい文章構成が実現します。



「結論 → 理由 → 具体例 → まとめ(学び)」という流れですね!
②内容に一貫性を持たせる
面接カード全体を通して記述内容に一貫性があることは、あなたが自己分析を徹底し、仕事に対する思いの軸が定まっていることを示す重要な証拠になります。
一貫性とは、例えば「質問①で協調性を強みとして挙げているのに、質問②のエピソードでは全て単独行動の話になっている」といった矛盾がないことです。
面接カードの各要素が相互に補強し合うように記述することで、面接官はあなたの人物像を具体的かつ矛盾なく理解できるようになります。
一貫性を意識するだけで、過去の経験と今後やりたい仕事のイメージがつながり、文章全体が説得力のある内容に変わるでしょう。



面接官に「この人は入庁後の姿がイメージしやすい」と思わせられるような内容を心がけてみてください。
③直近の経験を優先して書く
面接カードに書くエピソードは、原則として直近の経験を優先して記載しましょう。
面接官が知りたいのは、「現在のあなたがどのような能力と価値観を持っているか」であり、直近の経験ほど、それが色濃く反映されていると判断されるからです。
高校時代以前の古いエピソードは、話の内容がよほど特殊でなければ、面接官に「最近は特筆すべき努力をしていないのではないか」という印象を与えかねません。
特に質問②や③で求められるエピソードは、できる限り過去3〜5年以内の具体的な活動(学業、アルバイト、部活、ボランティア、仕事など)から選定することが望ましいです。



どうしても直近に欠ける内容がない場合は、過去の経験に「その後どのように変化したか」を補足すると、現在とのつながりが生まれます!
④エピソードは具体的に書く
面接カードを書く際には抽象的な表現を避け、五感に訴えかけるような具体的な描写を心がけてください。
「チームのために頑張った」「困難を乗り越えた」だけでは、面接官にあなたの熱意や能力がまったく伝わりません。
具体的に書くためには、以下の要素を意識して盛り込む必要があります。
- 数字
例:「売り上げを15%向上させた」「30人のメンバーをまとめた」など - 固有名詞
例:「〇〇サークルでの地域交流イベント」「特別養護老人ホームでのアルバイト」など - 行動の描写
例:「アルバイト先の教育マニュアルに抜け漏れが多いことに気づき、チェックリストを兼ねた研修資料を独自に作成し、導入した」など
具体的な記述は、あなたの経験にリアリティと説得力を持たせ、面接官が質問の深掘りをする際の明確な手がかりにもなるでしょう。



「何を・なぜ・どう行動したか」を具体的に書くほど説得力が高まります!
⑤内容は盛らずにリアルを重視する
面接カードに事実と異なる内容や、過度に誇張したエピソードを書くのは絶対に避けてください。
面接官は、カードの内容について多角的な視点から深掘り質問をしてくるため、少しでも内容を盛っていると、話に詰まったり論理が破綻したりして、信頼を大きく損ないます。
公務員に強く求められることは、誠実さと倫理観です。
そのため、派手な成功体験よりも、等身大の頑張りや学びを正直に伝えましょう。
「なぜその失敗から立ち直れたのか」「その経験を通して得たものは何か」といった、リアルな葛藤と成長のプロセスを重視した方が、人間味あふれる魅力的な人物として評価されます。



他人から見たら小さなエピソードでも、自分がどのように悩み、どう乗り越えたのかが重要です!
⑥面接時に深堀りされることを想定して書く
面接カードを作成する際は、面接官の「深掘り質問」を事前にシミュレーションしながら書くことで、面接本番での安定性が増します。
書いた内容のすべてに対して、以下のような質問を自身に投げかけてみましょう。
- なぜ?(目的・動機)
- 何を?(役割・事実)
- どのようにして?(行動・工夫)
- どう影響した?(成果・周囲の変化)
- だから?(学び・行政での再現)
上記の質問に対する具体的な回答や予備のエピソードを、面接カード作成時点に頭の中で整理してください。
実際の面接で、面接官から想定した質問を導き出すような構成にすると、面接を有利に進められること間違いなしです。



想定質問を用意しておけば、回答のブレもなくなりますし、不意な質問にも慌てなくなります!
⑦可能な限り規定字数まで埋める
面接カードの規定字数は250文字ですが、可能な限り(最低でも8割以上)字数を埋めましょう。
文字数が少ないと、「自己分析が不十分ではないか」「志望熱意が足りていないのではないか」とネガティブな印象を面接官に与えかねません。
ただし、字数を埋めるために冗長な表現をしたり、関係のないエピソードを無理やり追加したりするのは本末転倒です。
まずは「結論 → 理由 → 具体例 → まとめ(学び)」という構成要素を過不足なく記述し、足りない文字数で質の高い情報を入れ込みましょう。



文字数が足りないときの多くの原因は、具体的な描写の欠如です。記述した内容の印象を強めるような、効果的な描写を心がけましょう。
⑧読みやすい文体を徹底する
面接カードは、面接官に短時間で内容を理解してもらうためのビジネス文書と考えるべきです。
以下の点を徹底し、読みやすさを確保してください。
- です・ます調の統一
全ての文章を丁寧語(です・ます調)で統一し、砕けた表現や口語は避ける。 - 一文を短く
主語と述語が明確な、一文が長すぎない簡潔な文章を心がける。 - 接続詞の活用
「しかし」「そのため」「したがって」など、論理の流れを明確にする接続詞を適切に使用する。 - 句読点の適切な使用
息継ぎの場所や意味の切れ目を意識し、句読点を効果的に使用することで、文章のリズムを整える。
読みにくい文章は面接官のストレスにつながり、印象が悪くなってしまいます。
逆に読みやすい文章を書ける受験生は、よく思考が整理されていて、コミュニケーション能力も高いと判断されるでしょう。



内容が良くても伝わらなければ意味がないため、後日自分で作成した文章を再度読み直したり、他者に読んでもらい評価してもらったりすると良いでしょう。
⑨提出前に内容をコピーしておく
特別区の面接カードは、一度提出すると内容の閲覧や修正ができなくなります。
そのため、提出前に必ず以下のような方法で内容のコピー(控え)を取っておきましょう。
- テキストデータとして保存
入力フォームの内容を全てコピーし、WordやGoogleドキュメント、メモ帳などの文書ファイルに貼り付けて保存する。 - PDF・印刷
プレビュー画面などを利用してPDFとして保存するか、紙に印刷して物理的な控えを作成する。
記述内容の控えは、面接対策はもちろん、予備校や友人に添削を依頼する際にも必須となりますので、提出をする前に必ず実行してください。



記述した内容を忘れてしまい、面接時にカード記載の内容と違うことを話してしまうと、悪評価につながります!そうならないためにも、コピーは必須ですね。
⑩面接で話す内容とズレないようにしておく
カードに書いた内容と、面接で話す内容に少しでもズレや矛盾が生じると、「信頼できない」「その場しのぎで答えている」と判断され、不合格になるリスクが高まります。
例えば、カードに「協力して成果を出すことを重視している」と書いているのに、面接で「まずは自分のやり方を優先することを大切にしています」と述べてしまうのは食い違いになってしまいますね。
ズレを防ぐには、カード完成後に自分が書いた内容を口頭で説明する練習が非常に有効です。



とはいえ面接では、面接カードの文章をそのまま暗唱するだけでは評価されません!カードの内容を基にしつつ、質問に合わせて 自分の言葉で分かりやすく説明できることが大切です。
特別区の面接カードでよくある失敗例5つ


面接カードで失敗する多くの原因は、単なる文章力不足ではなく、「質問の意図を履き違えている」「公務員としてのアピールポイントを誤認している」という根本的なミスにあります。
面接で不採用になってしまう受験生は、これから挙げる失敗例のいずれかに陥っているケースが多いため、あなたも当てはまっていないかをチェックしてみましょう。
①質問の意図からズレた回答を書いてしまう
もっとも致命的なミスになるのが、質問の意図を正確に理解せずに回答してしまうことです。
例えば、「自身の強み」を問われているにもかかわらず、「明るさ」「粘り強さ」「コミュニケーション能力の高さ」といった、抽象的かつ誰でも言えるような特徴のみを提示する受験生がいます。
上記のような回答では「それが特別区職員の職務にどう活きるか」という論理的な裏付けを欠いてしまうため、本来持つ能力や適性が評価される機会を失ってしまいます。
面接官に正しくあなたの魅力を伝えるためにも、前述の「面接官が見ているポイント」をしっかりとチェックし、質問意図と回答のズレが起きないようにしましょう。



伝えるべきなのは単なるあなたの能力ではなく、「あなたの能力が仕事にどのようなメリットをもたらすか」です!採用するメリットを相手の立場になって考えましょう!
②自身の役割ではなくチーム全体の話ばかり書いている
質問③の中で多く見られる失敗が、主語を「私たち」や「チーム」にしてしまい、その受験生が何をしたかという記述が不明確になってしまうことです。
面接カードはチームの活動記録ではなく、受験生の個人の能力と貢献度を評価するための資料です。
チームの状況を説明することは必要ですが、それよりも「チームの中で私はどのような役割で、その役割を果たすために、具体的にどのような行動を取ったか」という部分がもっとも重要になります。
面接官はチームの成功話を聞きたいのではなく、あなたが特別区職員になったときに、どのような役割を果たし、貢献してくれるかを知りたいため、主語を自分に置いた記述をしましょう。



「私の行動」がチームの成果にどう影響したかまで明確にしましょう!
③エピソードが時系列で整理されていない
面接カードに書く文章が時系列(プロセス)を無視して書かれていると、面接官は状況を理解できず、ストレスを感じてしまいます。
特に質問②では、以下のプロセスを順序立てて記述しましょう。
- 背景:どのような目標と状況だったか
- 困難の発生:いつ・どのような問題が起きたか
- 行動:問題に対し、あなたが取った具体的な行動は何か
- 乗り越え:どのような工夫や努力をし、困難を乗り越えたのか
- 結果・学び:最終的な結果と、そこから得た教訓は何か
もしも上記のプロセスが破綻していると、面接官は事実関係の確認に多くの時間を費やすこととなり、あなたの本質的な強みを深堀りする時間が削られてしまいます。
そのため、作成後には必ず「話が飛躍していないか」「第三者にしっかりと伝わるか」を確認しましょう。



このプロセスは、業務上で課題解決を行う際の基本的なPDCAサイクルに相当しますので、しっかりと記述できれば論理的な思考力がアピールできます!
④長所だけを語り失敗や葛藤を書かない
完璧な成功体験ばかりを並べ、失敗や葛藤を書かない面接カードは、かえって薄っぺらい印象を与えてしまいます。
なぜなら、特別区職員の仕事は住民のニーズや予算の制約、制度の壁といったさまざまな困難に常に直面するものであるからです。
面接官はあなたが困難に直面した時、どう立ち直り、乗り越える知恵と粘り強さを持っているかという部分や、課題解決への意欲を知りたいと思っています。
そのため、人間味と成長性が感じられる内容の方が、公務員として必要な資質を持っていると判断されやすい傾向にあるでしょう。



逆に失敗の事実だけを書いても意味がないため、内省と改善のプロセスまでしっかりと伝えましょう!
⑤仕事理解が浅く本気で志望しているように見えない
志望動機や挑戦したい仕事に関する記述が、「特別区の仕事」ではなく「一般的な公務員の仕事」になっている場合は、「仕事理解が浅い」「本気で志望していない」と判断されてしまいます。
例えば、「地域住民のために尽力したい」というだけでは、どこの自治体でも通用する回答で、特別区である必要性がまったく伝わりません。
特別区の職員は、大都市特有の複雑な課題(多様な文化への対応、都市インフラの維持、区独自の福祉サービスなど)に取り組む使命があります。
そのため、特別区ならではの政策や制度に言及し、「私が実現したいことは、特別区でしかできない」という具体的な理由づけをすることで、志望動機に深みと説得力を持たせられるでしょう。
独自性をアピールするためにも、各区のホームページや広報誌を読み込み、具体的な施策名を挙げるといった行動が効果的です。



各区のインターンシップや特別区職員の講演会も行われていますので、参加するのも1つの手ですね!
【Q&A】特別区の面接カードでよくある質問
面接カードを作成する際、書き方のルールやエピソード選定の悩みなど、誰にでも生じる細かな疑問があります。
疑問を放置したまま提出してしまうと、気付かないうちに評価を落とす原因になりかねません。
ここでは、多くの受験生から寄せられる、特に内容面・精神面で気になる疑問について、プロの視点から具体的なアドバイスを提供します。
まとめ
特別区の面接カードは、面接の台本となる重要な書類です。
書き方のコツを押さえるだけで、評価は大きく変わります。
この記事のポイントを整理すると次のとおりです。
- 面接カードは“質問の意図を正しく捉えること”が最重要
- 質問別に評価されるポイントが異なるため、一貫性と構成が鍵になる
- 面接ではカードの内容を基に深掘りされるため、矛盾のない内容にする
- 読みやすさ・具体性・役割の明確化が高評価につながる
- 失敗例を理解することで、落ちる文章を避けられる
面接カードは丁寧に準備するほど質が上がり、面接でもブレない答えができるようになります。
この記事を参考に、自信を持って面接カード作成に取り組んでください。



「数的塾」なら添削もしていますので、気になる方は以下のLINEからお問い合わせください!
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