高校卒業後の進路として公務員を考えているものの、「高卒公務員の給料では生活できないのではないか」という不安を抱えていませんか?
インターネット上では「高卒公務員は生活が苦しい」「後悔する」といった言葉が並び、せっかく目標としている進路なのに、迷いが生まれてしまう方も多いでしょう。
本記事では高卒公務員が本当に生活できないのか不安な方に向けて、リアルな給料事情や福利厚生について解説します。
あわせて高卒公務員がお金に困らずに、将来を長く安心して生活するための方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください!
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高卒公務員の給与について知っておこう


結論から言えば、高卒公務員の給与は「生活できない」といわれるほど低くはありません。
ネット上の「高卒公務員では生活できない」という極端な意見に振り回されないためにも、給与体系の全体像を正しく理解しておきましょう。
主な職種の初任給について
2025年のデータを基に、高卒程度で受験可能な主な職種の初任給を、以下にまとめました。
- 国家公務員(一般職・特別区):225,600円
- 皇宮護衛官・刑務官・入国警備官:259,680円
- 警視庁(警察官):264,700円
- 警視庁(警察行政職員):225,600円
- 東京消防庁(消防官):264,700円
- 東京消防庁(一般職員):225,600円
- 特別区職員(行政):240,360円
- 東京都職員(事務・福祉・技術):225,600円
地方の中小規模の自治体では、上記の初任給よりも少なくなり、20万円を切る場合もあることは念頭に置いておきましょう。
都内では地方公務員も国家公務員も初任給の差がありませんが、消防官や警察官等の公安職は、身の危険があることもあり、少し高めに設定されています。



上記の初任給に、この後ご紹介する各種手当が加算されます!
各種手当について
高卒公務員の給与だけでは生活できないと思われがちですが、各種手当が基本給に上乗せされることにより、収入が大幅に増えます。
- 地域手当:民間賃金が高い地域等で勤務する場合
- 広域異動手当:一定の距離を伴う広域異動等をする場合
- 特地勤務手当:離島・僻地等で勤務する場合
- 寒冷地手当:寒冷地で働く場合(冬季)
- 扶養手当:扶養親族がいる場合
- 住居手当:借家等に住む場合
- 通勤手当:交通機関・自動車等で通勤する場合
- 単身赴任手当:異動等で家族と別居し単身生活となる場合
- 超過勤務手当:残業をした場合
- 休日給・夜勤手当・宿日直手当:休日出勤・夜勤・宿直・日直をした場合
- 特殊勤務手当:危険・著しく困難・不快等、特殊な勤務に従事した場合
- 期末手当・勤勉手当:6月期・12月期に支給される、いわゆるボーナス
各種手当は、民間企業では会社ごとに支給されるかどうかに差がある一方で、公務員は制度として支給されることが決まっていることが魅力です。



手当が含まれた給料を見れば、想像よりも生活水準を上げて暮らせるケースも少なくありません。
1年目の手取りと年収について
高卒公務員が実際にもらえる手取りと、それを基にした年収の概算をご紹介します。
はじめに、給与から差し引かれる内容を以下にまとめました。
- 所得税
- 住民税
- 厚生年金
- 健康保険
- 組合費(労働組合に入った場合)
- 互助会費(職場の飲み会・高額医療・冠婚葬祭等のための積み立て)
上記の要素が給与から天引きされることで、高卒公務員(一般行政職)の1年目の手取りは国家公務員(一般職)で約19万円、地方公務員で約17万円となる見込みです。
総務省の令和5年 地方公務員給与実態調査」人事院の国家公務員の給与制度の概要」によると、平均年収は次のとおりです。
- 地方公務員(一般行政職):約320万円
- 国家公務員(一般職)で約390万円
手取りや年収を考えると、入庁1年目は決して裕福な生活はできないものの、生活できない程の額ではないことがわかります。



ここから給与は右肩上がりに伸びるため、ゆくゆくは比較的余裕のある生活ができるでしょう!
昇給の仕方について
国家公務員・地方公務員ともに昇給の仕組みはおおよそ同じで、以下のような仕組みとなっています。
- 毎年の定期昇給:同じ等級のまま号数が上がる
- 昇任・昇格:役職が上がり等級自体が上がる
定期昇給は、勤務成績(人事評価)に応じて上がる幅が変わり、評価が高いほど昇給が有利になりやすい仕組みです。
地方公務員の場合、昇任・昇格するには昇任試験を受ける必要があり、在籍年数や人事評価に加えて筆記試験・面接試験等を組み合わせ、昇任する人物に相応しいかを総合的に判断されます。
一方で国家公務員は、人事院が示す枠組みを基に、直近の能力評価・業績評価で一定要件を満たした人が昇任の候補となり、その中から適任者が選ばれる仕組みです。
係員から係長へ昇任すると、等級が上がって基本給が伸びるため、収入を大きく伸ばすには、「評価を積み上げる→昇任・昇格につなげる」という流れが重要になります。



どのように号俸が上がるのかは、以下の表を参考にしてみましょう!
| 号俸 | 1級 (俸給月額) | 1級の増加比 (1号俸比) | 2級 (俸給月額) | 昇格差 (2級→1級) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 183,500 | 0 | 230,000 | 46,500 |
| 5 | 188,000 | 4,500 | 236,000 | 48,000 |
| 10 | 196,200 | 12,700 | 243,400 | 47,200 |
| 15 | 204,400 | 20,900 | 249,800 | 45,400 |
| 20 | 212,100 | 28,600 | 255,400 | 43,300 |
| 25 | 220,000 | 36,500 | 260,400 | 40,400 |
| 30 | 226,700 | 43,200 | 264,700 | 38,000 |
| 35 | 232,200 | 48,700 | 268,600 | 36,400 |
| 40 | 237,300 | 53,800 | 272,300 | 35,000 |
| 号俸 | 1級 (俸給月額) | 1級の増加比 (1号俸比) | 2級 (俸給月額) | 昇格差 (2級→1級) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 184,100 | 0 | 235,800 | 51,700 |
| 2 | 185,000 | 900 | 237,000 | 52,000 |
| 3 | 186,000 | 1,900 | 238,200 | 52,200 |
| 4 | 187,000 | 2,900 | 239,400 | 52,400 |
| 5 | 188,000 | 3,900 | 240,600 | 52,600 |
| 6 | 189,000 | 4,900 | 241,800 | 52,800 |
| 7 | 190,100 | 6,000 | 243,000 | 52,900 |
| 8 | 191,200 | 7,100 | 244,200 | 53,000 |
| 9 | 192,300 | 8,200 | 245,400 | 53,100 |
| 10 | 193,400 | 9,300 | 246,600 | 53,200 |
民間企業との給与比較
「高卒公務員は生活できない」と言われがちですが、民間企業に高卒で入社した人の平均給与と比べると、公務員の方がやや高い給与水準であり、十分に生活できることがわかります。
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」を基に、民間企業の平均初任給・平均月額給与・平均年収を以下にまとめました。
- 平均初任給:197,500円
- 平均月額給与:199,800円(19歳以下)
- 平均年収:約300万円
上記はあくまで平均値であり、会社の業績によっては賞与がカットされたり、昇給が止まったりするリスクがあります。
一方で、会社の業績や個人の成績が良ければ、一気に収入が跳ね上がる可能性があるというメリットもあります。



どちらが良いとは一概には言えませんが、一定水準の収入を安定して得られる点で考えると、高卒で公務員になっても生活が苦しくなることは考えづらいでしょう。
高卒公務員が生活できないといわれる理由とは?


前章では、高卒で公務員になった場合の給与事情について解説し、生活できないわけではないことがわかりました。
それではなぜ、世間では「高卒公務員は生活できない」と言われてしまうのでしょうか。
本章では、その理由を整理して解説していきます。
- 大卒公務員よりも給与が低いから
- 昇給ペースが緩やかで収入が伸びづらいから
- 副業に制限があるから
- 給与が生活コストの上昇に追いついていないから
「生活できない」といわれる理由の共通点は、収入を増やす手段が限られるなかで、支出だけは上がりやすいという問題があることです。
それぞれの理由について、より詳しく見ていきましょう。
大卒公務員よりも給与が低いから
高卒公務員がまず直面するのは、同じ職場で働く大卒の同期との給与格差でしょう。
公務員は学歴別(採用区分別)に、給与がハッキリと分けられています。
大卒公務員と比べて、高卒公務員は月額給与が約3~4万円低く、ボーナスを含めた年収で言えばさらに差が大きくなります。
同じ責任を持って働いているにもかかわらず、入庁時の採用区分だけで生活水準に差が出てしまうことが、「生活できない」と感じる不満の根源となっているのでしょう。



実務能力や人事評価によっては、給与が上がりやすくなり、大卒公務員よりも優位に立てる可能性も十分にあります!
昇給ペースが緩やかで収入が伸びにくいから
公務員は毎年昇給があるものの、給与の増え方がなだらかなため、若手の段階では生活に余裕がないと感じがちです。
また、高卒採用は大卒採用よりも基本給のスタートが低い分、同じ年齢を重ねても余裕が出るまでの期間が長く感じられるでしょう。
公務員は民間企業のように成果や売上で給与が急上昇する仕組みではないため、短期間で収入を大きく伸ばせない点に不安を感じる人もいます。
結果として、着実に昇給しているという事実があっても給与に不満を抱くケースがあり、生活できないといわれる一因になりやすいです。



昇給が遅いと感じる人は、昇給後の手取りしか見ていないことが多いです。将来の見通しを立てるなら、次の昇給額だけでなく、何歳までに昇任して給与が大きく伸びるのかまで給与表(俸給表)で確認しておくと、不安が現実的な計画に変わります!
副業に制限があるから
公務員は基本的に副業の自由がなく、副収入を得ることが難しいため、生活が苦しいと感じる可能性があります。
法律によって、営利企業の役員になることや、自ら営利企業を営むこと、報酬を得て事業・事務に従事することが禁止されています。
ただし、一部例外として許可があれば可能な副業もあるため、どうしても副収入を得たい方は以下の活動を行うのも1つの手です。
- NPO活動や子どもへのスポーツ指導など、地域貢献型の活動で、報酬が常識的な範囲内にあるもの
- 単発的な執筆・講演・研修講師などの活動
- 投資信託・株式投資・不動産投資などの資産運用
- 特別な事情のある家業継承
- 太陽光発電による電気売買
上記のような活動をする場合でも、当然許可がなければできませんし、許可なく行った場合は停職や言及などの懲戒処分の対象になるため注意しましょう。
2025年12月19日に人事院が発表した最新情報によると、国家公務員のみ2026年4月以降に、趣味を活かした副業が解禁されます。
手芸品の販売やスポーツ・芸術関係の教室の開業、地域振興のイベントの主催、高齢者の買い物代行など、社会貢献になる事業を想定している様子です。



希望者には開業届の提出と事業計画の作成を求め、職務に支障がないか、事業を通じて国民からの信頼を損なわないかなどの要件を満たす必要があり、どの副業でも可能というわけではないようです。
給与が生活コストの上昇に追いついていないから
公務員の給与は毎年改定されるたびに上がっているとはいえ、物価の高騰が続く情勢の中、生活の苦しさを感じてしまう人もいます。
どの程度追いついていないのか、以下に直近の物価の上昇値・公務員の給与の上昇値をまとめました。
| 年度 | 物価 (CPI) | 地方公務員 (例:東京都職員) の給与改定 | 国家公務員 の給与改定 |
|---|---|---|---|
| 2022 | 年平均 +2.5% | 828円(0.20%) | 921円(0.23%) |
| 2023 | 年平均 +3.2% | 3,569円(0.88%) | 3,869円(0.96%) |
| 2024 | 年平均 +2.7% | 10,595円(2.59%) | 11,183円(2.76%) |
| 2025 | 2025年11月時点 +2.9% | 13,580円(3.24%) | 15,014円(3.62%) |
2022~2023年の物価上昇に対しては、給与の改定の幅が小さく、物価高に追いついていませんでした。
2024~2025年は給与が大幅に増えたため、物価高に追いついていないと言い切りにくい状況になってきています。
しかし、数字以上に使えるお金が目減りしていることが、生活の苦しさを実感する原因となっています。
高卒公務員が「生活が苦しい」と感じないための対策法


公務員の給与体系そのものを変えることはできませんが、自分自身の行動や制度の活用次第で、実質的な生活の豊かさは向上させられます。
生活が苦しいと感じるか不安な方は、以下の方法を試してみましょう。
- 福利厚生を最大限使う
- 業務で有利になる資格・スキルを取得する
- 「貯める」から「増やす」にシフトする
それぞれの方法によってどのように生活が楽になっていくのか、詳しく見ていきましょう。



本章でご紹介する対策法を1つずつ実行することで、収入に対する不安は消えるはずです。
福利厚生を最大限使う
公務員の強みの1つである「手厚い福利厚生」を使えば、支出を減らすことができます。
- 住居手当:国家公務員は最大28,000円、地方公務員は一律ではないが、上限28,000円の自治体が多く、東京都は27歳以下の職員に限り30,000円
- 宿舎(官舎):民間の賃貸相場よりも圧倒的に安い家賃で入居可能
- 通勤手当:国家公務員は最大150,000円、地方公務員は自治体によるが、55,000~150,000円程度
- 扶養手当:国家公務員は2026年から配偶者にはなし、子には13,000円、父母等に6,500円、地方公務員は自治体によるが、東京都の場合は配偶者に3,000円、子に11,500円、父母等に6,000円
- 人間ドック・各種健診の補助
どのような補助が得られるのかを知り、漏れなく申請をすることで、月々の自由に使えるお金は数万円単位で変わってきます。



まずは自分の勤務する自治体の資料をよく読み、減らせる支出はないかチェックしてみましょう。
業務で有利になる資格・スキルを取得する
日々の業務に役立つ資格やスキルを取得すると、人事評価が上がりやすく、定期昇給時に給与の上がり幅が大きくなる可能性があります。
ただし資格・スキルを持っているだけでは評価は上がらず、業務で成果を出して初めて評価対象になるため注意しましょう。
- Excel・PowerPointの使用スキル
- 日商簿記
- ファイナンシャルプランナー
- IT関連スキル
資格やスキルがあってもすぐに給与が伸びるわけではありませんが、キャリア形成をするうえで有利になることは間違いありません。



万が一転職することになっても、資格やスキルがあれば市場価値が高まるため、採用に有利になります!
「貯める」から「増やす」へシフトする
副業に制限がある公務員にとって、将来の生活を豊かにするために資産運用は非常に有効です。
- 積立NISA:運用益が非課税で、引き出しが可能な投資。
- iDeCo:運用益が非課税で、掛金が全額所得控除されるため、毎月の所得税や翌年の住民税を節税できる。60歳まで引き出せない点には注意。
元本割れする可能性もゼロではないため、リスクを抑えるためにも、資産運用をする際には十分に勉強しましょう。
今ある収入の一部を将来の自分のために働かせるという考えを持てる人は、将来の不安を抱えづらくなります。



資産運用をする際は、生活費には絶対に手を付けず、余剰資金で運用するようにしましょう!
まとめ
公務員は安定性という大きな魅力がある一方で、収入の伸び方は民間企業と異なる性質があります。
短期間で大きく稼ぎたいタイプには向きませんが「今も将来も安定した暮らしがしたい」と思う方にはピッタリの就職先です。
もしも本気で公務員になりたいと思う方は、確実に試験に合格するためにも、「数的塾」の受講を検討してみてはいかがでしょうか。
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